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:2013/10/30(水) 10:24:14.29 ID:
埼玉県のあるファミリーレストラン。平日の夕方に若い女性の2人連れがビールを飲みながら
談笑している。つい最近、この光景を見た大手ファミリーレストランの幹部は感慨深げに漏らす。

「10年前にはファミレスでお酒を飲むのは恥ずかしいと感じる客もいたが、今や女性2人連れが
飲んでいることは珍しくない」

さらにこの幹部を驚かせたことがある。「この店では焼酎が50本もボトルキープされていた」のだ。

今、外食に対する価値観と選択肢が多様化している。もはや、「酒を飲むなら居酒屋」は常識では
なくなった。ファミレスで酒を飲む「ファミ飲み」、あるいは、「日高屋」のような低価格の中華
料理チェーン店で酒を飲む。こうした利用はこの10年、増加している。

何しろ、ちょっとしたつまみと主食に酒数杯なら2000円未満と、低価格居酒屋に太刀打ちできる
価格だ。加えて、今や焼酎などはファミレスでもボトルキープが可能になっている。

この消費者の価値観の多様化は居酒屋業態を直撃した。

日本フードサービス協会によると2013年1~8月の外食全体の前年同月比売上高が100%を下回った
のは3回。各業態では「ファストフード」で4回、「ファミリーレストラン」で1回、「ディナー
レストラン」で1回となっている。

ところが、「パブレストラン/居酒屋」だけは前年同月を上回った月はゼロ。振り返れば、
12年の年間平均でも、100%を下回ったのは居酒屋業態だけだった。

ある居酒屋の首脳はこう漏らす。「昔なら、外食する際、“飲みに行こう”“外に食べに行こう”と
言っていた。しかし、今は“イタリアンで軽く飲もう”“焼き肉を食べよう”と誘う。つまり、食べに
行く対象、目的が明確になっている」。

取りあえずそこに行けば何でもそろっている店、というのでは満足させることができないのだ。

こうした状況を受けて、大手のワタミは大きな決断をした。同社は近年、居酒屋以外の新業態の
開発には消極的だった。その方針を今後は百八十度転換するという。「これからは居酒屋ではない、
新業態開発に力を入れていく」(桑原豊社長)のだ。

東京の赤坂にあるイタリア料理店「BARU&DINING GOHAN」。内装はオシャレで落ち着き、
メニューにはスペイン産イベリコ豚のローストなどこだわりの一品が並ぶ。言われなければ、
ここをワタミが運営しているとは、誰も思わないだろう。

実は今、サラリーマンやOLが酒を飲む場合、この種の食事を中心に置いた店を利用することが
増えている。ワタミに限らず、ほかの大手居酒屋も、同様の業態の開発に乗り出したのだ。

■挙げればきりがない失速の原因 しかし専門型に光明

方針の転換を迫るほど居酒屋を追い詰めている犯人は誰なのか。前述の消費者の価値観の多様化
以外にも原因を挙げればきりがない。

今年の異常気象や、ワタミがブラック企業と糾弾され、イメージダウンとなったことが影響した
と指摘する業界関係者もいる。しかし、居酒屋低迷の根本原因は、もっと根深い構造問題にある。(※続く)

http://diamond.jp/articles/-/43679
【【話題・飲食】夜明けの来ない「居酒屋」業態--復活する外食業界に逆行 [10/30]】の続きを読む